クレジットカードと韓国
破綻した韓国経済
1997 年の東南アジア通貨危機で破綻した韓国は、国際通貨基金 IMF(International Monetary Fund) の管理下に置かれました。
財閥が次々と解体され、景気が更に悪化して税収が大幅に減った韓国政府は、当時の韓国経済の 16 % を占めていたとされる隠し資産(アングラマネー)の徴収に当たりました。
特に小規模店舗の脱税が多かったので、資金の流れを明確にするために、2000 年 1 月 1 日に「クレジットカード利用促進政策」を施行しました。
韓国のクレジットカード利用推進政策
韓国のクレジットカード利用推進政策は、以下の内容でした。
- 年間利用額の 20 % の所得控除
- 年末調整や確定申告のときに、年末にクレジットカード会社から送られる利用明細を添付すると 30 万円を上限として所得控除された
- 宝くじの権利の獲得
- クレジットカードの 1000 円以上の利用で、毎月の賞金総額が 1 億 8 千万円の宝くじの権利を獲得できた
- 苦情センターの設立
- 年商 240 万円以上の店はクレジットカードの取扱いが義務付けられ、対応していない店鋪に対する苦情処理期間が設立された
クレジットカード先進国になった韓国
クレジットカード利用推進政策が功を奏して、クレジットカードの利用者と加盟店が短期間で急増し、韓国は V 字回復を果たしました。
クレジットカード会社と決済 VAN 業者(情報処理センター)もさることながら、銀行は大きな利益を得ることができたのです。
こうして、韓国はクレジットカード先進国になりました。
国のクレジットカード利用推進政策の成功要因
韓国のクレジットカード利用推進政策が成功した理由として、以下が挙げられます。
- 以前から存在した発展的な決済システム
- 韓国中央銀行の主導で、金融機関の決済システムが全国規模で構築されていた
- 韓国政府とビザ・インターナショナルの関係
- 韓国政府は、クレジットカード利用推進政策の顧問であったビザ・インターナショナルの助言を活かすことができた
韓国のクレジットカード利用推進政策の問題点国
韓国のクレジットカード利用推進政策は大成功を収める一方、問題点も残しました。
- 不払率の上昇
- 収入以上にクレジットカードを利用する不良債務者が、特に 20 ? 30 代で急増した
- クレジットカード会社の経営悪化
- 返済遅滞や不良債権売却や貸倒引当金積増しなどで、クレジットカード会社の経営が悪化した
- 銀行の不良債権比率の上昇
- 個人向けローンの不良債権化などで、銀行の不良債権比率が上昇した
韓国政府の不良債務者増加防止策
増加し続ける不良債務者数を抑えるために、韓国政府は 2002 年に以下の対策を講じました。
- 学生や失業者に対するクレジットカード勧誘の禁止
- 個人向けローンの貸出額引下げ
- キャッシングの抑制
- クレジットカード会社の財務基盤改善
- クレジットカード会社の不良債権の投資ファンド化
- 不良債務者の金利減免や返済期間延長
