IC カード

IC カード

磁気から IC に移行するクレジットカード

クレジットカードは、磁気カードから IC カードに移行しつつあります。

IC とは Integrated Circuit の略で、「集積回路」と訳され、IC カードには IC チップが搭載されています。

  • 磁気カード
    • 72 文字分の情報を記録可能
  • IC カード
    • 新聞紙 1 枚分の情報を記録可能
    • CPU と ROM で構成
    • 偽造されにくく、安全性に優れている

日本における IC カードの発行

日本における本格的な IC カードの発行は、新規発行分から以下のように行われました。

日本における IC カードの発行
時期 発行会社
2001 年 4 月 三井住友カードとトヨタファイナンス
2001 年 12 月 ユーシーカード UC と JCB
2002 年 3 月 UFJ カード

その後、流通系や信販系などの他社も続きました。

通常のクレジットカードと IC カードの原価

通常のクレジットカード(磁気カード)と IC カードの原価は、発行枚数により以下のようになります。

通常のクレジットカードと IC カードの原価
磁気カード 情報入力前 70 円前後
情報入力後 100 円前後
IC カード 300 ? 500 円

カード犯罪で狙われるのは、ゴールドカードが多くなっています。

ゴールドカードの比率が高い銀行系クレジットカード会社は、IC カード導入に積極的です。

一方、信販系・流通系クレジットカード会社は、コストの高い IC カードには消極的です。

スマート・コース・ジャパン

スマート・コース・ジャパンとは、IC カードによる電子マネー「VISA キャッシュ」についてビザ・インターナショナルが世界各地で実施した実験の 1 つです。

スマート・コース・ジャパンは、通産省(当時)の予算約 100 億円の電子商取引推進事業の一環として、1997 年 10 月から 1998 年 3 月まで神戸の三宮地区・ハーバーランド地区・インターネットで行われました。

実験規模は、以下の通りです。

  • カード配付枚数:約 2 万 5000 枚
  • 加盟店端末:約 670 台
  • 「VISA キャッシュ」に貨幣価値を充填するリロード端末:24 台

その後、スマート・コース・ジャパンはパート 3 まで開催されました。

  • パート 2
    • ロイヤリティプログラム(ポイントサービス)機能の付加
    • POS 接続端末の設置
    • 対応自動販売機の設置
  • パート 3
    • 1 台の端末で複数ブランドの IC カードを共用可能なシステムの構築

渋谷スマートカード・ソサエティ

渋谷スマートカード・ソサエティとは、IC カードによる電子マネー「VISA キャッシュ」についてビザ・インターナショナルが世界各地で実施した実験の 1 つです。

渋谷スマートカード・ソサエティは、1998 年 7 月から東京の渋谷地区で行われました。

実験規模は、以下の通りです。

  • 参加企業:46 社(金融機関/クレジットカード会社/メーカー/ビザ・インターナショナル)
  • カード配付枚数:10 万枚以上
  • 加盟店端末と自動販売機の合計:約 2000 台

接触型 IC カードと非接触型 IC カード

IC カードのインターフェースには、接触型と非接触型 があります。

  • 接触型 IC カード
    • IC チップが表面に剥き出しになっていて、差込んだ対応端末から電力供給を受けてデータを授受
    • IC チップと端末が密着するので、信号を盗聴されにくい
    • ISO 7816
  • 非接触型 IC カード
    • IC チップと端末が数 mm から数 m まで離れても交信でき、カードをかざしてデータを授受
    • IC チップが表面に剥き出しになっていおらず、汚れや磨耗に強い
    • ISO 14443

非接触型 IC カードの分類

ISO(国際標準化機構)は、非接触型 IC カードを端末との通信距離から以下のように分類しています。

  1. 密着型(2 mm 以内)
  2. 近接型(約 10 cm 以内)
  3. 近傍型(70 cm 以内)
  4. 遠隔型(数 m 以内)

これらのうち、近接型の実用化が進んでいます。

近接型非接触型 IC カードの分類

近接型非接触型 IC カードは実用化が進んでおり、3 つに分けられます。

  1. タイプ A
    • オランダのフィリップス社などが開発
    • CPU を搭載せず、メモリだけを持つ
  2. タイプ B
    • アメリカのモトローラ社などが開発
    • 接触型 IC カードの仕様に準拠しており、接触型 IC カードとの親和性が高い
  3. タイプ C
    • ソニーが開発したフェリカは、JR 東日本の IC 乗車券「スイカ Suica」や JR 西日本の IC 乗車券「イコカ ICOCA」やビットワレットの「エディ Edy」が採用
    • セキュリティよりも速度を重視

JR 東日本の IC 乗車券「スイカ Suica」

JR 東日本の IC 乗車券「スイカ Suica」は、ソニーが開発したフェリカを採用している非接触型 IC カードです。

フェリカは JR 東日本よりも先に、香港では「オクトパスカード」と呼ばれて地下鉄やフェリーで定期券として利用され、シンガポールでも交通系カードになっています。

「スイカ Suica」は 2001 年 11 月に発売され、1 年半で 640 万人以上と予想以上の利用となりました。

フェリカは、JR 西日本の IC 乗車券「イコカ ICOCA」やビットワレットの「エディ Edy」にも採用されています。

Java Card Open Platform 30 型(コンビカード)

Java Card Open Platform 30 型(コンビカード)とは、接触型 IC カードと非接触型 IC カードの両機能を搭載したデュアルカードの 1 つです。

コンビカードは以下の特徴があり、ビザ・インターナショナルと IBM が基本ソフトを共同開発して、2003 年春に導入されました。

  • 接触型と非接触型の両方の IC チップを入れるのに比べて、1/3 程度の費用
  • 接触型は、決済用 IC の世界標準規格 EMV に準拠
  • 非接触型は、ISO に準拠
  • 公開鍵方式に対応しており、社員証などにも利用可能

クレジットカードと接触型・非接触型の使い分け

クレジットカードに接触型と非接触型の両方の IC が搭載されている場合、以下のような使い分けが予想されます。

  • 接触型
    • 決済金額が小さくて、迅速な処理を要求されるとき
  • 非接触型
    • 決済金額が大きくて、安全性を要求されるとき